2002年5月20日(月) |
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昨日は仕事で外出がままならなかったので、合間に顕微鏡を使ってここ数日の間に採取したキノコを覗いて楽しんだ。 エツキクロコップタケは十分に熟していたので、切り出した切片(a)を見ただけでも胞子嚢には胞子が満ちている。胞子嚢(b)、側糸(c)、厚膜の子嚢先端付近の胞子(d)。胞子サイズは30〜35×15〜18μmでとても大きい。 ミズベノニセズキンタケは切片(e)を切り出し、拡大すると(f)側糸と胞子嚢がみえた。胞子は10〜14×4.5〜5.5μmほどだった。
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ヒロハシデチチタケは低倍率でもシスチジア(h)がよくわかる。メルツァーで染色すると胞子表面の模様(i)が浮かんでくる。胞子はほぼ球形で6〜9μm。担子器(j)は案外大きい。チチタケの仲間のキノコは、ヒダが比較的しっかりしているので切片(g)を作るのは楽だが、乳液のせいでカミソリがすぐに切れなくなってしまう。顕微鏡で油浸状態にしたままメルツァーで染色してしまったので、全体が見苦しいほど黄褐色を帯びてしまった。
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カンゾウタケの組織は概ね縦に綺麗に並んでおり(k)、各所にクランプ(l)をもっている。担子器(m, n)も胞子(o)も案外小さい。胞子は3.5〜4.5×3〜3.5μmほどだ。図鑑類には「卵形」との記述もあるがちょっと違う。赤い色の部分(p)は色素を充満した細長い細胞からなっている。 |
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