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昨日は明け方からバケツをひっくり返したような激しい雨だった。そんな中を千葉県の内房に向かった。富津市で浜を観察した後、外房に移り一ノ宮、白子、蓮沼と浜辺を観察して歩いた。最後に茨城県の大竹海岸を歩いて家路についた。どしゃ降りの雨が降ったにもかかわらず、砂地を2〜3cmほど掘ると地下はカラカラに乾いていた。 九十九里から鹿島灘にかけての浜辺は、イネ科植物の根やら葉からでる奇妙なきのこ(a〜f)が群生していた。これは「今日の雑記 5/15」で取り上げたものと同じだが、ハマニンニクばかりではなく、コウボウムギ(b)やらコウボウシバなどの根元からもでていた。若い菌(a, b)、成菌(c, d)、老菌(e)がすべて出そろっていて、場所によっては踏みつぶさずに歩くのが困難なほどの大量発生だ。 砂から掘り出してみると(d)、先の観察時と同じで、宿主のイネ科植物から支枝がでてその先端がきのこになっているかのような姿をしている。数は少ないが地中のイネ科植物の枯葉や枯枝などからでているものもある。前回の観察時に担子器やら胞子がほとんど見られなかったのはまだ幼菌だったからだが、成菌の傘径は2〜3.5cmほどありヒダ(f)は疎で、傘にはヌメリなどは無く、色も薄紫から紫褐色、淡褐色で一見するとキツネタケ属(Laccaria sp.)を思わせる。比較的短時間でたっぷりとれた胞子紋(g)は白色だった。 切片(h)を切り出して倍率を上げ(i)てみるが、シスチジアらしき物が見つからない。担子器(j)と似たような形の棍棒状の組織(k)は多数ある。シスチジアの様にもみえ、担子柄のとれた担子器のようにもみえる。いろいろな成菌や老菌を見ても同じだった。明瞭に形の異なるシスチジアは見つからなかった。胞子(l)をメルツァーで染めるとどうやら表面だけが黄褐色に染まるようだ。胞子サイズは10〜14.5×7〜9.5μmほどだ。 |
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