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先週の土曜日にかなり雨が降ったせいか、昨日の見沼地区ではウッドチップから多量・多種のヒトヨタケ科のきのこがあちこちで一面に発生(6/17f)した。これらのきのこは夜明けから数時間の命で、陽が昇るとたちまち萎れたり溶けて姿を隠してしまう。am8:00にもなるとただ、そこにきのこが生えていたらしい痕跡をみるばかりとなってしまう。昼近くになると、もともとそこには何も無かったかのようにただチップが広がるばかりとなってしまう。今回はいくつか傘表面を真上方向から撮影してみた。 ビロードヒトヨタケ(a, g)、ザラエノヒトヨタケ(b, h)、ネナガノヒトヨタケ(c, i)、ワタヒトヨタケ(d, j)、クズヒトヨタケ(e, k)などが群れの中心メンバーだが、赤みがかった菌(f, l)やら、橙色の菌(ma)などヒトヨタケ科と思われる不明種も多数出ている。 |
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見沼に出るヒトヨタケの仲間にちょっと異色のきのこ(ma〜mc)がある。その姿が非常に清楚で美しいからだろうか、「きのこ屋」さんのトップページを飾っている。 このきのこ(ma)は見沼地区では珍しくも何ともないのだが、未だにその素性がよくわかって いない。さる6月17日早朝も数十株が発生してその美しい姿を見せていた。形はビロード ヒトヨタケによく似ているが、色が鮮やかな橙色から淡橙色をしておりヒダの端にいたると白色となる。傘表面(mb)には中央付近に短い毛が生えている。ヒダ(mc)の姿はビロードヒトヨタケとほとんど同じだ。ただ、全般的にビロードヒトヨタケよりも繊細でゼラチン的質感がより強い。そして、液化こそしないがビロードヒトヨタケよりも短時間で干からびてしまう。さらに胞子紋がなかなかうまくとれない。ちょっと伏せておいただけでも、すぐに濾紙やらスライドグラスにくっついてしまうのだ。 生状態からヒダ切片(md)を切り出すのは思いの外難しく、いまだうまくいったためしがない。ヒダ表面(me)の組織は担子器がぶつかり合わないようにうまくできている。傘表面中央部にはわずかに毛(mf)がある。担子器(mg, mh)や胞子(mi)の姿はビロードヒトヨタケと変わらない。胞子サイズは11〜13×7〜8μm、発芽孔が確認できるものもある。 |
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