2002年6月30日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 「きのこ屋」さんから指摘を受けたのだが、昨日ザラエノヒトヨタケとして載せたきのこ(h)はどうやら別種のようだ。同じく(i)、(j)のきのこはオキナタケ属 とするよりナヨタケ属としたほうがよさそうだ。ただこれが何なのかはよくわからない。
 さいたま市の秋ヶ瀬公園にはいろいろなアセタケが出る。ここで取り上げたきのこは早朝公園のシイ・カシ林のジメジメした場所で採取したものだ。
 成菌(a)、 ヒダ(b)、幼菌(b)、凹頭状の柄の基部(d)などをみたときキヌハダトマヤタケだと思った 。念のためにヒダ切片(e)を切り出した。ヒダ実質の組織(f)にはとりわけ特徴はない。側シスチジア(g)は厚膜で、多くは先端に石灰質の結晶がついている。この時点でキヌハダ トマヤタケ説は崩れた。傘中央部の先端にはわずかな毛(h)のようなものがある。傘組織(i)は問題ない。倍率を上げて担子器(j)、胞子(k)をみるとコブ状をしている。これで、もはや完全にキヌハダトマヤタケとの推測は覆された。もしキヌハダトマヤタケなら、側シスチジアは薄膜だし胞子はインゲン豆形で平滑だ。胞子紋(l)はキヌハダトマヤタケなど と同じ色をしている。
 キヌハダニセトマヤタケはvon J. Stanglのモノグラフでは 色がかなり黄色っぽく描かれているが、記述と検鏡図からみて、おそらくこれはキヌハダニセトマヤタケ(Inocybe paludinella (Peck) Sacc.)と思われる。手元に小林孝人氏のモノグラフがないので断定はできないがまず大きくはずれてはいないと思う。

日( )
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