2002年8月10日()
 
  (イ)(ロ)(ハ)(ニ)
(T) (a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(M) (e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(D)    ↑
CoolPixとNikon三眼鏡筒の組合せにのみ装 着可
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
 今日ここで取りあげるのは、顕微鏡の画像をデジカメで撮影する場合に使用するアダプタについてである。顕微鏡に馴染みのない方には退屈な話題かもしれない。
 コリメート法といって望遠鏡や顕微鏡などの接眼部にカメラのレンズを密着させて撮影する方法がある。確かに顕微鏡とデジカメさえあればミクロの世界を記録できるはずなのだが、手持ちでシャッターを切って綺麗な影像を得るのは難しい。センターはずれる、ピントは甘くなる、シャッターを切るときにブレるなどで、思い通りの影像はなかなか得にくい。そこでデジカメと顕微鏡を結びつけるアダプタの登場となる。
 最近購入したものも含めて、現在手元にあるアダプタ類を比較してみた。ただし、ここでは専用の高価な撮影装置は取りあげていない。上段(T)にはアダプタと接眼レンズを並 べて、中段(M)にはこれを組み合わせた状態を、下段(D)には日常愛用しているオリンパス単眼顕微鏡に装着した状態を、それぞれ列挙した。
 先ず価格であるが、(イ)はキャップと接眼レンズがセットで約35,000円、(ロ)はアダプタと接続リングがセットで約8,000円、接眼レンズまで購入すると13,000円弱、(ハ)は望遠鏡専用の接続アダプタで約2,000円、接眼レンズは手持ちのものを利用する。3ヵ所のネジで接眼部に固定する仕様だ。(ニ)はプロテクトフィルタからガラスを取り除いたもので、約1,200円。これも接眼レンズは手持ちのものを利用する。これらはいずれも市販のごく普通の商品である。
 (イ)のキットはCoolPix専用でしかもニコンの三眼鏡筒の直立部(幅広)にのみ取り付け られるものだ。価格の割には外側のキャップ部が貧弱なプラスチックでできている。これは通販でのみ入手できる。(ロ)は接続リングを交換することによって市販の多くのデジカメに装着できる。ただ、ニコンやオリンパス純正の接眼レンズの大部分は装着することができない。これを使うつもりならビクセンの専用接眼レンズを購入するのが一番手っ取り早い。(ハ)のアダプタはKenkoから望遠鏡専用として販売されており、各社のデジカメ用 がある。(ニ)は各々のデジカメ専用に販売されているフィルタからレンズを取り去って枠部のみを使う。ここで(ハ)と(ニ)では手持ちの接眼レンズを使うことが前提となる。
 (イ)〜(ニ)ともに、顕微鏡にはピッタリ合うし撮影などには全く問題ない。(イ)と(ニ)とでは、価格で30倍ほどの開きがあるが、得られる影像には差はない。ただし、(イ)を使えるのはCoolPixとニコン三眼顕微鏡の組み合わせに限られる。また、(ニ)を使えるのは デジカメにニコンのCoolPixを使う場合に限られる。というのは、顕微鏡の接眼レンズの 外径とデジカメフィルタの外径がほとんど同じなので、両者を密着されてビニールテープでグルグル巻きにして、その上からガムテープで固定しただけのものだからだ。デジカメレンズ部の口径がこれより大きかったり小さいものでは、この方法は使えない。
 一般的にはこれらの中の(ロ)か(ハ)を使うのが現実的だろう。というのは、デジカメの機種に関わりなく使えるし、三眼鏡筒でも、単眼・双眼鏡筒にでも使えるし、入手もしやすく安定してるからだ。ただ、(ハ)は価格こそ安くすむが、デジカメと接眼レンズ部の接続にやや不安が残る。また、接眼レンズの筒の表面にネジによる傷が付く。
 現在自宅ではふだんは(ロ)のアダプタを主に使い、時々(ニ)を使っている。外出時などは気楽なので(ニ)をたいていポケットに入れて持ち歩いている。ただし、(ニ)はカメラの重みでセンターが狂いやすいので、定期的にビニールテープのまき直しなどが必要だ。

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