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富士山で採取したAmanita(8/22 h, i)はドウシンタケに似ていると記述したが、検鏡してみるとキリンタケ節(Sect. Validae)に近いきのこのようだ。 いつものようにヒダ切片(a)を切り出し、少し倍率をあげる(b)と、いかにもテングタケ属らしい散開型の子実層托実質がみられる。どの担子器(c, d)をみても担子柄が2つしかない。つぶれたり重なって2つに見えるのではないかと疑って、焦点位置を変えながらさんざん探してみたが、やはり4担子柄をもったものは見つからなかった。メルツァーで染色してみると胞子はアミロイド(d, e)だ。胞子の形(e)もジャガイモのような姿をしている(スケールの1目盛りは1μm)。傘表皮は薄くきれいに剥がれる(g)。その部分を覗いたが(f)だ。 傘肉は淡いピンク色(g, h)をしているのだが、FeSO4をヒダにかけてみると褐色〜緑褐色に変わった(h)。また、柄の基部(i)はキリンタケやヘビキノコモドキなどと似たような形をしている。今回はこの1個体しか見つからなかったので、あまり詳細には調べなかったが、また新しい課題が増えてしまった。 |
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