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昨日夕方スーパーマーケットで、安く売られている中国産マツタケなるものを買った。3本890円也である。なぜ買ったのかというと、半分は野次馬根性、もう半分は検鏡データとして使ってみようと思ったからだ。 比較的大きめで傘が少し開きかけた個体のヒダを取り出した。切片(a)を切り出して倍率をあげると担子器(c)、シスチジア(d)を観察することはできたが、胞子はまだ未熟なものばかりだった。胞子紋も全くとれなかった。胞子が熟した状態では商品価値半減だろうからやむをえないか! そういえば、以前エリンギを検鏡したときも胞子は未熟だった。 検鏡した後、焼いて醤油をつけて食べたが、香りは全くなく、単に歯触りのみしか楽しめなかった。見た目の姿はいちおうマツタケであったが、香りのないマツタケでは価値はほとんどない。やはり自分で採取したものが一番うまい。 9月に訪れる予定の岩手の鍾乳洞近辺だが、KINOKO WEBの大ちゃんにいわせると「このあたりって、マツタケがいっぱい生えるんですよねぇ。」ということだ。しかしマツタケ探しをするゆとりはない。 |
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先日富士山で採取したハナヤスリタケは未熟個体ばかりでまだ胞子がほとんどできていなかった。ここしばらく追培養をしていたが、そのうちのひとつが熟してきた。1週間ほど不在となる前に観察することにして、頭部を薄く輪切り(a)にしてみた。確かに子嚢果は完全に埋没している。この部分を少し拡大(b)したのち、さらに倍率をあげる(c)と内部に子嚢胞子が無数に入っているのがみえた。この子嚢果を外側からみる(d)と、ちょうど風船のような形をしていた。子嚢胞子(e)はそのままではやや見にくかったのでをメルツァーで染めたみた。中には細長い胞子が入っている。その胞子(f)が子嚢先端から出てきかけたもの(f)がいくつかあったが、そのうちに小さな円柱状の二次胞子に別れていった。柄や頭部、根(?)の部分の組織も観察しているうちに、仕事にでる時間になってしまった。これから一仕事して、夕方には青森に向けて出発だ。入れ替わりに明日長女が東北の山登りから戻ってくる。 | |||||||