2002年9月9日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 先日の日光では各種のチャダイゴケにであった。ここしばらくはパソコンの顔も見たくないので、コチャダイゴケを顕微鏡で覗いて楽しんだ。一緒に採取したツネノチャダイゴケはまだ覗いていない。
 コチャダイゴケのペリジオール(小粒塊)にはヘソの緒(粘着性のひも)はない。茶碗の中に無造作に小さな褐色の碁石が詰まったような姿をしている(j)。その碁石(ペリジオール)をひとつつまみ出して薄切り(a)にしてみた。この切片はやや厚かったが、胞子は完全に内部に包み込まれている。少し押しつぶして碁石の外被膜を破ると(b)、たちまち無数 の胞子がはみ出して外にでてきた(c)。この碁石の外被膜はまるで籠のような構造(d)をしている。胞子(e)は厚い膜におおわれていて内部はよく見えない。スケールの1目盛りは1μmだ。チャダイゴケの仲間を覗くときはいつもそうなのだが、撮影に堪えるような担子 器はなかなか見つけられない。
 茶碗の壁、つまり殻皮(f)はタマハジキタケなどと違って、意 外と単純な構造をしている(g)。その外側は白い粗毛(h)におおわれ、内側は寒天質で碁石を包んでいる。寒天質の中をはい回っている部分の組織(i)は大きく膨らんだクランプを 持ちとても細長い。
 腹菌類をみていると、いつもなんとも不思議な自然の妙を感じさせられる。傘と柄をもったキノコからは感じられない感動的な何かがある。

日( )