2002年9月27日(金) |
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早朝、最近採取したクロサイワイタケ属を観察して楽しんだ。この属はクロサイワイタケ科の中ではもっとも大所帯をなしており、発達した大型の子座(stroma)を形成する。子嚢胞子は長円筒形をしているが、薄くて透明なのでわかりにくい。メルツァー液で染めると、先端部には特徴的なアミロイドのリングがみえる。子嚢胞子には発芽スリット(germ slit)を有するものが多い。外見とは裏腹に、観察して楽しいきのこだ
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マメザヤタケは見かけは地味だが、ミクロの世界ではとても興味深い姿を見せてくれる。きのこは意外と軟らかく切ってみると類白色の髄層が現れる。拡大してみると(a)、
子嚢殻が表面近くの外被層直下にびっしり並んでいる。成熟
すると頂部に孔が開いて胞子を噴出させる。実体鏡下で見ても(b)胞子はわかるが、切片(c)を切り出し顕微鏡を低倍率で見ても多数の胞子が充満(d)しているのがわかる。メルツ
ァーを垂らすと子嚢先端がリング状に青くなる(e)。胞子(f)は巨大で鰹節のような形をしているが、大きさは非常にバラつきが大きい。写真では少しわかりにくいが、胞子表面には発芽溝のスリットが走っている。
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ホソツクシタケは広葉樹の腐朽木ではなく、ホオの実から生じるところがおもしろい。黒く細長いひも状を縦に切った(g)。球形の子嚢殼が子座の中に並んで埋まってい
る。今度は軸に水平に切って切片(h)を作り、顕微鏡の倍率を上げた(i)。内部は子嚢がびっしり詰まっている。ここにメルツァーを流し込んで拡大(j)してみると先端がわずかに
青くなった。さらに倍率を上げる(k)と子嚢先端がきれいにアミロイド反応を示している
。胞子(l)には縦に発芽孔がスリット状に通っている。マメザヤタケの胞子撮影ではスリ
ットがうまく撮影できなかったが、この胞子では何とかわかる。 |
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ブナノホソツクシタケの子実体はホソツクシタケよりさらに細いが、先端
付近を横断的に切断(m)すると、子嚢殼の様子が明瞭にわかる。切片(n)を作り低倍率で見ると(o)中には子嚢が並んでびっしり詰まっている(p)。メルツァー液をたらすと子嚢先端がきれいに青く染まる(q)。胞子(r)にはやはり縦に発芽孔のスリットが見える。 |
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