|
||||||
去る11月3日に観察したコナガエノアカカゴタケ(今日の雑記 11/4)のタマゴの中に、長く伸びた根状菌糸の先が生きたハマニンニクの根(地中の茎?)の中に入り込み、渾然一体となっているものがいくつかあった。これらのタマゴを宿主のハマニンニクと一緒にいくつか持ち帰って、冷蔵庫の野菜籠に放り込んでおいた。 今日箱をあけてみると、タマゴはすっかり成長して網目状の頭部を出していた(a〜c)。これらは採取時には太くて長い菌糸束を持った白いタマゴだった。太い菌糸束はハマニンニクの根にしっかりと絡み付いている(d, e)。その菌糸束からは細い菌糸が枝分かれして、先端はいずれもハマニンニクの根の部分に入りこんでいる。この様子は採取時と全く変わっていない。一方青々としていたハマニンニクの葉は枯れ始めている。 このとき同時に持ち帰った他のタマゴは、掘り出すときに菌糸の先端が切れてしまって基物とは切り離された状態だった。これらのタマゴも全く同じ条件で保存しておいたのだが、成長しているものは一つもなく採取時とほとんど同じ姿をしていた。両者のタマゴは採取時には大きさも固さもほぼ同じくらいだったので、基物から栄養を補給できる個体だけが成長したように見える。 コナガエノアカカゴタケはイネ科植物を分解して生きていると考えられる。自宅冷蔵庫のハマニンニクは枯れ始めたが、浜で見る限り宿主のイネ科植物はコナガエノアカカゴタケが付いたものも生き生きとしている。菌がすっかりしおれてしまった後でもその勢いが弱る気配は無い。単純に腐生あるいは寄生をしているだけではないのかもしれない。 |
||||||