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一昨日千葉県の海岸で採取してきたケシボウズタケ属は、やっと地上に顔を出したばかりの状態だった。国内の図鑑に掲載されている写真はほとんどがミイラ化した老菌である。若くて柄がまだやわらかい状態のものに出会えたのは幸運だった。 海浜性植物の間にちょうど野ウサギの糞が砂柱に持ち上げられたような姿で出ていた(a)。砂を半分掘ってみると白っぽい柄(b)がでてきた。幼菌(c)は砂にまみれてまだ頭部に孔はない。成菌を掘り出して縦に切ってみると(d)、グレバは黄褐色で柄は白く充実していた。頭部の表皮は平滑で、その下部にはフリンジのように外皮が残っている。孔口には管状隆起はなく、縁部に小繊維の房毛のようなものがみえる(雑記 2002/12/07f)。柄の表面は平滑な繊維質で、基部にも特に膨らみはない。また菌糸束などもみられない。 胞子表面に焦点(e)をあてたり、輪郭に焦点(f)をあてて観察するが、疣状突起は見られず、隆起した太い皺に覆われている。厚膜の弾糸(g, h)にはやや小さめの拳状節(swollen septa)が見られる(g)が、拳状節もなく次々に枝分かれしたもの(h)も多い。 孔口の形や、胞子サイズ・表面模様などを見ると Tulostoma striatum と同じ節に属する種と思われるが、柄の基部に膨らみはない。まだちょっと観察したばかりなのでわからないことばかりだ。今後さらに詳細に調べなくてはなるまい。 |
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