2002年12月19日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(g)
(g)
ニセマツカサシメジ
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(h)
(h)
マツカサキノコモドキ
 昨日の夕方、公園のマツ林でニセマツカサシメジマツカサキノコモドキの混生しているマツボックリを採取した。少し乾燥気味だったのでじっくり一晩かけて胞子紋をとった。キシメジ科のキノコには白い胞子紋を持つものが多い。白い濾紙にとった胞子紋は背景と同じ色をしているために全く見えないことも多い。今回は濾紙には採取せずカバーグラスに採取した。カバーグラスの後ろに白っぽい紙を置くか黒い紙を置くかで見え方はまるで違う。
 ニセマツカサシメジ(a, b, c)とマツカサキノコモドキ(d, e, f)は胞子紋やら胞子を見ただけではほとんど同じに見える。若い菌だと柄の表面の様子と色をみれば比較的区別しやすいのだが、乾燥した成菌やら、老菌ではどちらかわからないことも多い。だからといって、胞子紋やら胞子をいくら見てもむだである。採取したときはすべてマツカサキノコモドキだとばかり思っていた。
 外見をよくみればたやすく区別ができると記述された図鑑が多い。しかし現実にはどちらかわからず迷うことがしばしばある。そんなときはとりあえず縁シスチジアを観察することにしている。両者ともシスチジアの根元は細いが、ニセマツカサシメジでは薄膜(g)ですっきりしているのに対し、マツカサキノコモドキはやや厚膜(h)で先端に頭陀袋のようなものを被っている。

日( )