|
|||||||
昨日(2002/2/9)の雑記でケシボウズタケの一種として取り上げたきのこは、どうやらドングリタケ属のきのこのようである。明石市の正井俊郎さんからもドングリタケ(Disciseda subterranea)ではあるまいか、というご指摘のメールをいただいた。この仲間にはD.candida、D.pericellataなどが知られているので、再び詳細に検討してみた。胞子サイズがやや小さめだがT.subterraneaとしてよさそうだ。なお、正井さんにはオニイグチモドキとオニイグチの胞子写真の差し替え間違いと、イグチ類の疑わしい写真についても指摘いただいた。正井さんありがとうございました。 今一度当日撮影した別のデータを掲載しておこう(a, b)。写真(a)は地表に出ている時と同じような状態に配置したもので、実際には下部は砂に埋もれている。写真(b)は左側の個体の裏面を見えるようにひっくり返したものだ。どこにも柄を持っていたような痕跡はない。しかし、中には0.5mmほどの柄を持ったものもあった。 再度弾糸を覗いてみる(c)と、押しつぶしたり無理な力を加えずともすぐに短く切れてしまう。やはりどこにも隔壁はない。そして多くが極度に湾曲している。胞子表面(d)には棘状の突起(疣)があり、径4.5〜5.5μmほどである。 ちなみに柄が分離しやすいケシボウズタケ属と並べて撮影してみた(e)。右の二つがケシボウズタケ属の頭部で、左二つがドングリタケである。右のケシボウズタケ属をひっくり返して撮影したのが(f)だが、よく見るといずれも剥離(分離)した柄の痕跡やら、短い柄が残っている。またケシボウズタケ属に比べてドングリタケは内皮が厚くしっかりしている。ちなみにケシボウズタケ属の頭部は老菌になるとフワフワである。 ドングリタケ属とケシボウズタケ属、砂地や荒れ地で並んで発生していたら、掘ってみない限りそれがどちらなのかはまずわからない。(e, f)の写真ではサイズのやや大きいケシボウズタケ属をならべたが、頭部のサイズがほとんど同じようなケースはしばしばある。しかも、隣接して発生していることもある。 |
|||||||