2003年3月6日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 福島県相馬市の松川浦でも他の浜と同じく、海岸の防風林にはマツカサキノコモドキが多数みられた。傘色も白色から灰褐色、茶褐色、赤褐色と変化に富んでいた。足下にクリタケ属と思えるきのこが出ていた(a, b)。掘り出してみるとマツボックリからでているもの(c)やら、松の枯枝からでているもの(d)、あるいは松葉などをからめて周辺の落ち葉からでていた。
 いずれも柄の根本には白毛状の菌糸束(e)を伴っている。ヒダ(f)を見るとクリタケによく似ている。傘肉やヒダを囓ってみたがほとんど苦みはない。このため、採取時にはニガクリタケモドキかその近縁種かもしれないと考えていた。帰宅後に囓ってみるとひどく苦いものがあった。
 ヒダ実質は並列型であり、傘表皮には大きく膨らんだ細胞が平行気味に走っている(k)。胞子紋は暗紫褐色。胞子を水でマウント(g)すると青紫味が強かったが、5%KOHやらアンモニアでマウントすると橙褐色になった(h)。胞子サイズ、側シスチジア(i)、クリソシスチジア(j)、縁シスチジア、担子器(l)などをみるとニガクリタケとしてよいのではないかと思える。

日( )