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オオズキンカブリタケの近くの雪解け跡はすっかり水浸しでとても歩きにくかった。そのすぐ脇にとても小さな茶褐色のきのこが無数にでていた(a, b)。ヒダはやや厚く、幅広で直生、やや疎(c)。ビショビショに濡れていたからだろうか、明瞭な胞子紋は採れなかった。 胞子の膜はとても薄く、水でマウント(d)して直ちに検鏡する分には問題ないが、時間経過にしたがって胞子が壊れはじめる。アンモニアやKOHを使うとすぐに壊れはじめる。5%KOHでマウントし蒸発しにくいようにコップをかぶせて5分間放置したところ20〜30%の胞子が壊れていた。 ヒダ切片(e)を切り出して拡大すると実質は平行型(f)で、クランプを持っている(g)。側シスチジアは無く縁シスチジア(h)は頂部がやや膨らんだ円柱型である(h)。 担子器(i)は基部にクランプがある(j)が上手く撮影できなかった。とても長い担子柄をもったものがかなりの比率でみられた(k)。傘表皮を構成する組織は匍匐性の糸状菌糸からなり、若い菌ではその先端が立ち上がっていて(l)、傘表面に微細な綿毛が生えたようにみえる。 マクロ・ミクロ的観察に基づいて検索表をたどっていくとチャムクエタケ属(Tubaria)に落ちる。多分これはチャムクエタケモドキとしてよいのだろう。 |
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