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さいたま市の見沼地区ではナヨタケ属のきのこがウッドチップからかなり出てきた(a〜c)。乾燥すると白っぽくなってかさ表面にはスジ状の皺があらわれれる。例年だと今頃はこの仲間のきのこがかなり広範囲に群生するのだが、今年は今のところパラパラと数も少ない。 胞子紋は黒褐色だが(d)、心持ち暗紫色を帯びているようにも見える。まずはヒダ切片を切り出した。傘を手に持ってかなりいい加減に切ったので分厚いものができた(e)。厚ぼったい切片をたっぷりの水に泳がせて、ヒダの根元付近を見た(f)。担子器、胞子やらシスチジアなのだろうが、まるでヒダの縁にゴミがついたように見える。縁シスチジア(g)、側シスチジア(h)は同じような形をしている。図鑑などによれば紡錘形〜便腹形というふうに記述されるタイプで薄膜である。明るくして撮影したので胞子も黄褐色に見える(i)。照明の按配によってはかなり暗い紫褐色にも見える。マウント液をなにも使わず見た胞子(j)はいずれも腹部が凹状にへこんでいる。ウスベニイタチタケでよいと思うのだが、例年とはあまりにも発生状況が違うのでかなり戸惑った。 |
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