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昨日は仕事先が東松山市だったので、武蔵丘陵森林公園を3時間ほど歩いてみた。地肌がカラカラに乾燥しており、わずかにキクラゲ、カワラタケ、多孔菌をみただけであり、軟質菌のきのこはほとんどなかった。池の畔のジメジメした斜面にも全くきのこの姿はない。 今朝は、先に(2003.4.9)高尾山のモミ林で出会った小さなヒメツチグリ属(a)を検鏡した。フィルムケースにいれて持ち帰ったのだがすっかり忘れていた。内皮は青黒色をしており白色微粉に被われている。外皮先端から頭部までの高さは25〜30mmほどの小さなものだ。外皮は弓なりに反って、先端は菌糸のマットにつながっている。内皮は外皮に対して短い柄でつながっていて、柄の部分に縦縞などはない(b)。孔縁盤は繊維状で明瞭な円座を持っている(c)。 胞子は小さく微細な疣状突起に被われている(d)。弾糸にはほとんど分岐も無く、隔壁はもっていない(e)。拡大して見ると厚壁で(f)、非常にまれにわずかに分岐している部分もある。幼菌は得られなかったので担子器などの構造はみることができなかった。 マクロ的な観察と、胞子・弾糸などこれら乏しいデータだけからでは断定はできないが、どうやらヒメカンムリツチガキ(Geastrum minus)あるいはG. fornicatumなどの近縁種だろう。図鑑によってはこの仲間はすべてヒメカンムリツチガキ(ヒメカンムリツチグリ)として掲載されているようだ。 |
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