2003年8月18日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 きのこ屋(高橋)さんからソライロタケ(a〜c)がでているとの情報をいただいたので、昨日朝現地に行ってきた。6月から7〜8回通ったのだが、その折には全く出ていなかった。傘表面ばかりではなく、ヒダから柄まで空色をしている(d)。柄の基部は白い菌糸で被われている(e)。触れたり傷つくと次第に黄色くなるが、摂氏50度で30分ほど乾燥させたらずいぶん色の感じが変わった(f)。
 胞子(g)の確認は楽だが、ヒダ切片(h)の切り出しにはとても難儀した。縁シスチジア(i)は棍棒状のものが多い。ヒダの子実層(j)がどうやっても鮮明に見えない。剃刀で切りだすとまるで納豆をつまみあげた時のように、色素を帯びた糸状の液が周りにまとわり付いてくる。ヒダ実質部の菌糸(k)は多数の水泡のようなものに満たされている。カラカラ寸前に乾燥した個体のヒダ実質にも、同じような多数の水泡状のものが見えた。子実層を明瞭に捉えるのが難しいので、軽く押しつぶして担子器(l)を引き出して撮影した。
 これまではイッポンシメジ科のきのこは比較的楽に切片を作ることができた。しかし今朝のソライロタケでは非常に難儀した。少なくとも数十回は剃刀をあて、カバーグラスも10数枚は無駄にしてしまった。ヒトヨタケ属の切り出しでもここまでの苦労はなかった。
 ソライロタケの出ている斜面には、他にも多くのイッポンシメジ科のキノコが出ていた。ウスキモミウラモドキやトガリウラベニタケ、ヒメコンイロイッポンシメジ、コキイロウラベニタケにそっくりなものが幾つもみられた。しかし、持ち帰って昨日直ちに検鏡した結果はいずれも近縁種ではあるが別種であった。確実だったのはキイボカサタケのみだった。

日( )