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静岡県浜岡町やら大須賀町の浜で、頭部だけ砂上に出した丸いきのこが多数みられた(a)。ちょっと見たところはまるでドングリタケのように見えたが、内皮がややざらつきすぎているといった印象を受けた。掘り出してみるとみなしっかりした柄をもっていた(b)。これらはいずれもケシボウズタケ(Tulostoma brumale)であった。胞子・弾糸からそれを確認することができた(c)。 一方、まるでケシボウズタケのように見えるのだが、さわってみるとコロコロと転がり柄を持たないものが多数あった(d)。場所によってはいくつも並んで出ていた(e)。いずれも内皮はノッペラボウの紙質である。これらはドングリタケの仲間(Disciseda sp.)のようだ。顕微鏡で見ると切れ切れになった弾糸、短い柄を備え鈍頭の針状突起に覆われた胞子が見えた(f)。 一方はケシボウズタケ目ケシボウズタケ科ケシボウズタケ属、他方はホコリタケ目ホコリタケ科ドングリタケ属と「目」レベルでことなるのだが、いずれもちょっと見た目にはじつに紛らわしい。たったままの姿勢で見ていると簡単にだまされてしまう。そうでなくともケシボウズタケ属の中に頭部が柄から簡単に分離してしまう種がある。だから、ケシボウズの頭部なのか、ドングリタケ属なのか間違えそうなことはしばしばある。 |
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