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遠州灘の砂丘で丸くて小さな砂だらけのきのこをいくつか掘り出した。柄は無く、頭部からゼラチン質に包まれた菌糸を伸ばしている(a)。この部分は偽根のような器官かと思ったのだが、そうではなかった。反対側には外皮の中央付近に柄の痕跡のような跡がある。切断してみると若い菌の内部は真っ白(b)だったが、大きな方は暗褐色で粘液混じりの粉塊であった。 最初に大きな方のグレバを覗いてみた。対物40倍で見ると、ずたずたに切れたような弾糸が見えた(c)。胞子は球形であるが細かい部分はわからない。油浸100倍にして胞子を見ると短い柄のようなものがついている(d)。まだ十分成熟していないからだろうが、先の鈍い針のようなもので表面が覆われている。感触としてはドングリタケの仲間ではないかと感じた。 若い真っ白なグレバを覗いてみると、面白い姿が見えた(e)。担子器を作る組織なのか担子器そのものなのかはよく分からない。でもそういった組織なのだろう。先端の細胞は胞子(d)よりもはるかに大きい(f)。この姿を見ているとドングリタケ属の幼菌とは別なのかもしれない。頭部からゼラチン質の菌糸を長く伸ばしていることも面白い。 |
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