元旦に静岡県の遠州灘で採集したケシボウズをひとつ一つチェックしながら分類してみると、おおざっぱに4つのタイプに分けられた。同じテリトリーに何種類かのタイプが混生している。仕分けにあたっては、外観的特徴はむろん、胞子・弾糸だけではなく、外被膜・内被膜の検鏡が必要となった。いずれも孔口は筒状で、柄は木質・中実である。
当初は大部分がケシボウズタケ(Tulostoma brumale Pers.:Pers.)だろうと思っていたのだが、どうもそうではなさそうだ。しかし、(4)のタイプは T. brumaleとしてよさそうだ。
(1) 外皮膜は菌糸状、内被膜は紙質、柄が白くほとんど平滑、柄の下部にわずかに赤褐色を帯びることもある、やや大型
(2) 外皮膜は膜質から半膜質、内被膜は紙質、柄の表面は赤褐色のササクレに覆われる、中型からやや大型
(3) 外皮膜は菌糸状から半膜質、内被膜はざらついた軽石状、柄は赤褐色のササクレに覆われるものが多い、中型だがやや大きなものもある
(4) 外被膜は膜質、内被膜は紙質、柄は白く平滑、非常に小さいものが多い
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今朝とりあげたのは、上記の(1)のタイプである(a〜c)。量が多かったので、1月2日から連日少しずつ検鏡しながら分けてきたが、いちいち検鏡結果の撮影などできなかった。ようやく今朝(1)のタイプの胞子(d)、弾糸(e)を撮影できた。種名の同定はまだできていない。
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