2004年5月22日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 小川町の自然公園で採取(5/18)してきたベニヒダタケ(a, b)は成熟がかなり進んでいて、持ち帰ったときにはヒダがほとんどビショビショで潰れていた。何とか胞子紋(c)はとれたので、胞子は検鏡できた(d)。やや丸みが強いがウラベニガサの胞子とよく似ている。
 潰れたヒダからの切片作りはかなり難儀した。なかなかうまく切れず5〜6枚目にやっと何とか見られる状態の切片ができあがった。この仲間の特徴としてヒダ実質は逆散開型(e)。ウラベニガサのように多数の側シスチジアが見られない。 ところどころにわずかに見られる側シスチジアはいずれも形が崩れてしまっていたので撮影はしなかった。
 水でマウントした状態で担子器を見たが、透明ではっきりしない。フロキシンで染めるとようやくそれらしい姿が捉えられた(f)。すでにヒダ自体がかなり崩れていて、基部のクランプなどの確認はできなかった。これほど側シスチジアが潰れきったベニヒダタケは初めてだった。

 来週から通勤先が埼玉県北部となった。車にせよ列車にせよ埼玉県を南から北まで縦断することになる。このため、早朝のきのこ観察(フィールド+検鏡)にかなり支障がでそうだ。
 「今日の雑記」には「いついつどこにこんなキノコがあった」といった内容もあるが、元来はきのこ観察に関わるメモである。今後は、フィールドに出る時間や検鏡時間の捻出に苦労することになる。これまでのような形では「雑記」の継続はできないだろう。

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