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早朝、さいたま市の公園まで野生きのこを探しに行ってきた。できれば、(1)顕微鏡観察初心者にも比較的楽に取り扱え、(2)胞子や担子器が大きくて見やすく、(3)シスチジアを持ち、ヒダ実質にも特徴がある、そういったハラタケ目のきのこを見つけたい。となると、自ずと限られてしまう。キシメジ科やベニタケ科は除外される。 ウッドチップを散布したさいたま市の公園にはシロフクロタケ(a〜d)がよく出る。このきのこは前記の(1)〜(3)の条件をすべて満たしている。幸い成菌(a)、若い菌(b, c)、老菌(d)と一通り採取することができた。若い頃にはヒダの色は白色(c)だが、老菌になると茶色になる(d)。 傘と柄を持ったきのこを観察する場合、必ず見なくてはならないのが、胞子、ヒダ、傘表皮である。最初にヒダ先端を見た(e, f)。フロキシンで染めると明瞭に見えることが多い(f)。次にヒダ実質を見ると、逆散開型をしている(g)。側シスチジアも見えている。 担子器基部のクランプ(basal clamp)を確認するため、ヒダ切片を作りKOHでマウントしフロキシンで染めた(h)。次にこれを軽く押しつぶすと担子器が飛び出してきて、バラバラになった(i, j)。同じことを水でやってみても、なかなかうまくいかない(k, l)。basal clampの確認にはKOHとフロキシン、そして軽い押しつぶしがポイントである。 今日から菌学教育研究会の講座「菌類の多様性と分類」に出席のためしばらくは筑波に常駐となるので、12月1日まで「今日の雑記」はお休みである。 |
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