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デジカメを使って顕微鏡撮影をするようになって久しい。銀鉛フィルム時代と比較して、検鏡時の撮影枚数が格段に増えた。15〜30倍にはなろう。デジカメの場合は、残りフィルムを気にすることなくいくらでも撮影できる。したがって、ここ一番などと考えることなく、ちょっとメモしておこうかなと感じたら、何枚でもシャッターを切ればよい。悪い画像は後で消去すればよい。 撮影枚数が増えた最大の原因は、実はまったく別のところにある。デジカメでの撮影ではコリメート法を使っているので、ピントの確認は液晶モニターで行うことになる。 銀鉛フィルムの時代は、三眼鏡筒部に撮影装置を乗せ、その上に一眼レフボディを据え付けた。ピント確認は撮影装置から潜望鏡の様に手前に出ているレンズをとおして行う。したがって、かなり正確にピント合わせをすることができる。 一方、デジカメでは液晶モニターを見てピント合わせをするわけだが、これがとても分かりづらい。小さな液晶画面では、はたして正確にピントがあっているのかわからない。たいていのデジカメには、光学ズームの他に電子ズームを備えている。電子ズームは撮影には全く役立たないが、ピントの確認には利用できる。少しでも画面が拡大され、細部の様子がわかる。 しかし、いくら光学ズームも利用して液晶モニターを注視しても、はたして正確にピントが合っているのか否かは、やはりわかりにくい。そこで、その周辺で何枚も撮影することになる。微動ネジをごくごくわずかにずらしながら撮る。大部分は後で捨てることを前提の撮影である。 撮影を終えた映像は、パソコン側の大型モニターでピントの確認をする。ピントの甘いものは容赦なく削除する。残ったものだけを保存する。10数枚撮っても残るのは1〜2枚である。胞子の輪郭部を撮影するだけでも5〜10枚、胞子表面模様を撮影するのにもほぼ同数撮る。こんな調子で、ヒダ実質部とかシスチジアなどを撮影すると、画像枚数だけがやたらに増える。 したがって、画像をパソコンに転送したら、最初にやることはピントの甘い映像の削除である。80〜90%の映像が捨てられる。これが結構時間がかかる。こんなことに時間をかけるのは実に馬鹿げている。コストをかけずにできる何かもっと良い方法がないものだろうか。 |
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