2005年8月26日(金)
 
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 スギタケ属らしいきのこを日光から持ち帰った。道路脇の針葉樹から横向きに一個体だけでていた(0)。材はウラジロモミかカラマツらしい。傘径8〜10cm、傘表皮はピンク色で、ササクレだった黄色の繊維状鱗片に被われている。中央部に突出は無く、やや凹んでいる。傘の縁は内側に反り返っている。ハナガサタケの傘をピンク色にした様なイメージである。
 柄は硫黄色で、表面は傘表皮と同様の鱗片に被われている(1)。柄にはツバやその痕跡はない。ヒダは密で柄と同色。傘肉や柄の内部も硫黄色である。持ち帰った個体の傘に3%KOHをたらすと暗赤色に変色した(2)。柄やヒダでも柄の内部でも同じく暗赤色化する。
 胞子は表面が平滑な空豆型(3)で、偽アミロイドである(4)。3%KOHで封入すると赤褐色味が増した(5)。ヒダを一枚切り出した(6)。縁にも側にもシスチジアがありそうだ。全体がゼラチン化しており、ヒダ実質が並列型であることは分かるが、クランプの有無ははっきりしない。傘肉、柄でもクランプの有無は確認できなかった。
 新たにヒダを一枚スライドグラスに置き、3%KOHで封入すると縁シスチジアが多数みえる(7)。一部にクリソシスチジアもある。サイズと形の確認のため高倍率でみた(8)。同じような形の側シスチジアがある。3%KOHで封入すると、側シスチジアには内部が明褐色に染まるもの(クリソシスチジア)とそうでないものとの2種ある(9)。クリソシスチジアはフロキシンでも染まりにくい(10)。担子器(11)やら傘表皮などを確認した。
 傘の色などはハナガサタケとはかなり違った印象を受けるが、ミクロの姿はハナガサタケそのものだ。保育社『原色日本真菌類図鑑I』掲載(No.361)にハナガサタケとして掲載されているものが、ちょうどこれと同じようなものだったかもしれない。

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