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先に日光から持ち帰ったガマホタケ属 Typhula (a)の小さなきのこを覗いた。持ち帰った日に一度見たのだが、胞子が全くできていなかった。そこで、しばらく湿り気を持たせた状態で追熟させていた。一晩スライドグラスに横たえたが、胞子紋は全くとれなかった。 子実体の高さは2〜5mm、径は0.3〜1.2mmほどの小さなものばかりである。最初水でマウントしてみたが、コントラストが弱くはっきりしない。子実層には担子器も胞子も見られなかった。そこで、フロキシンで染めて3%KOHでマウントした。 最初に輪切り(水平り)にした(b)。次に縦切り(垂直)にした(c)。子実体内部では、中心部に縦に多数の繊維が束ねられた状態で走り、そこから子実層托に散開状に菌糸が走っている。内部はゼラチン化している。脆くて小さいのでとても切りにくい。 内部の菌糸の束の周辺には、ところどころにクリスタル片がみられる(d)。菌糸はどこを見てもクランプがある(e)。偽担子器の基部にもクランプがみられる(f)。かなり探したが、担子器らしきものがみつからない。しかし、わずかに胞子らしきものはあった。 |
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