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川越市の雑木林で妙なキノコにであった。カエデ類の立枯れの地表部付近からでていた。ヒラタケ型で束生し、基部で癒着している。白色でブナハリタケに似通ったよい香りがする。遠くからみたときは硬質菌のようにみえた(a)。柔らかくて裏面は細かいヒダである(b)。 かさ表面は放射状に著しい皺があり、比較的しっかりしていて、微毛もなく粘性はない。柄はほとんどなくヒダの縁は内側にやや巻き込んでいる。胞子紋は白色。 胞子は小さな球形で微疣に被われ(c)、アミロイドである(d)。ヒダ実質は並列型であり、シスチジアなどは見あたらない(e, f)。子実層には油脂を多量に含んだ菌糸(gloeohyphae)が多数みられる。フロキシンで染めて3%KOHでマウントするとよくわかる(g, h)。担子器の基部や偽担子器にはクランプがある(i)。傘上表皮はいわゆるトリコデルム(trichoderm)構造をなしてる(j)。二菌糸型(dimitic)で(k)、クランプが見られる(l)。 保育社『原色日本新菌類図鑑(I)』の検索表(p20〜23)をたどると、ミミナミハタケ属に落ちる。スイス菌類図鑑や手元の文献にあたっても、白色のミミナミハタケ属菌について触れているものはない。資料不足でこれ以上の探究はできなかった。 |
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