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先週土曜日に新潟県のスギ植林地で採取したスギエダタケを検鏡した。この仲間、つまりマツカサキノコ属 Strobilurus は、胞子にはこれといった特徴はないが、独特のシスチジアを持っていて興味深い。マツカサキノコやマツカサキノコモドキでも同様である。 カバーグラスに落とした落下胞子をそのまま見た(a)。ヒダを切り出してみると、実質部はやや並列気味に錯綜している(b)。ヒダの先端には、やや厚膜の縁シスチジアがある(c, d)。側にも同じような形の側シスチジアがみられる(e, f)。側の方が縁よりも若干大きめである。 担子器は細長く、基部にクランプはない(g)。傘表皮はとても興味深い(h)。上表皮層は子実層状だが(i)、細長い棒の先に球をつけたようなシスチジアが多数ある(h〜j)。傘シスチジアの中には基部がカブのように膨らんだものもみられる(j)。 先端に向かって細くなる棒の頭に球を乗せたような形のシスチジアは、柄の表皮にも多数ある(k, l)。マツカサキノコ属では、アセタケ属などと同じく、胞子・ヒダ・傘表皮以外にも柄の表皮の観察が必須である。傘・柄のシスチジアは大きさのバラツキがとても大きい。 |
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