2005年11月8日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 新潟の海浜防風林の松林で採ったシモコシはほとんど食べてしまったが、傘部分を1cm平方ほど切り出して残しておいた。その部分から胞子紋をとったのだが、ほんの少ししか落ちなかった。従って胞子も少量しか見られなかった(a)。
 しかしヒダ切片はきちんと切り出すことができた(b)。シスチジアの類は全くない。ひだ実質は並列型(c)。実質と子実層には黄色い色素を帯びた組織が多数みられる(d)。菌糸にはクランプはなく、担子器の基部にもクランプはない(e)。傘上表皮は細長い菌糸が平行気味に走っていて、緑色の色素を帯びた菌糸と入り乱れている(f)。
 キシメジ属は顕微鏡を頼っても同定には結びつきにくい。胞子は小さいし、シスチジアや傘上表皮は単純で似通ったものが多い。要するに、みな同じようでつまらない。おまけに、シモコシ、マツタケといった優秀な食菌となると、きのこ狩りの対象にこそなれ、検鏡・標本作りなどには回ってこない。だから、正確な同定作業などは滅多にやらないことになる。

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