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1週間以上放置していたヒメツチグリ属の一つ(a)を観察した。今月8日にひたち海浜公園の砂丘部から採取してきたもののひとつだ。頭部の径4〜6mmほどで、孔縁盤は内皮から明瞭に区別され溝線はない(b, d)。外皮は4〜5枚ほどの裂片となり、弓状に反り返って地上の菌糸マットに繋がっている(c)。内皮の基部には明瞭な膨らみがあり柄生である(d)。 外皮内側には偽柔組織からなる中皮の残骸が残っていた(d, e)。胞子は疣状突起をもった球形(f, g)。弾糸は多くが厚膜で、分枝は少ない(h)。コットンブルーで染まる薄膜の菌糸もある(i)。紙質の内皮は厚膜の菌糸で織られた布のような構造をしている(j)。 geastrum forunicatumとg. quadrifidumが候補にあがる。孔縁盤が内皮から明瞭に区切られていること、内皮基部に明瞭な膨らみがあること、胞子サイズなどから、g. quadrifidumとしてよさそうだ。ひたち海浜公園にはg. quadrifidumが圧倒的に多いが、千葉県外房ではg. fornicatumもよく見られる。いずれも砂丘部からクロマツ防風林の縁に見られる。 なお、故吉見昭一氏は、g. quadrifidumに対してセイタカヒメツチグリ、g. fornicatumに対してコセイタカヒメツチグリの名を与えている(「平成11年度 熊本きのこ会年報」p.70, 平成12年6刊)が、これはどこかで適切な記載を伴って明確に発表されたものだろうか。 |
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