きのこ屋(高橋 博)さんの(くさびら日記)(7月1日)で「音声ファイル その2」として、青木 実さんの肉声を聞くことができる。6月22日の「音声ファイル」に続くもので、「日本きのこ図版」と出版に関わることなど、興味深い話が語られている。
けさは、その青木 実氏による「日本きのこ検索図版」についての覚書である。青森県黒石市の松井和雄氏が、1995年に青木氏から寄贈を受けたという図版の文字部分を、氏のホームページ上の掲示板で精力的に公開しておられた。現在はどうなっているのだろうか。
青木氏は毎年のように、この検索図版を改訂され、それは1997年まで続いた。全体を見直しては、改訂を加えると、その年度を該当ページの下に鉛筆で克明に記していた。たとえば、マツオウジ属ならば最終改訂は1997年であり、ツバマツオウジを加えている(a)。
ザラミノシメジ属では、1995年版と1997年版とでは同一内容ということになる(b, c)。検索図版に記されている番号は、原則として「日本きのこ図版」の番号である。これは驚くほど詳細である。ザラミノシメジ属2枚目(c)にあるアシブトザラミノシメジ(2122)、ハタケザラミノシメジ(2121)など、大部分はナンバーから直ちに該当種にたどり着ける。
だが、博覧強記の青木氏でも記入ミスはある。ザラミノシメジ属1枚目(b)に、オオシロザラミノシメジ(1054)とある。日本きのこ図版のNo.1054を見ると、コフクロタケである。正しくは、No.1053であり、4ページにわたってオオシロザラミノシメジについて詳細に記されている。
大きな科や属では、検索図版は当然ながら何枚にもわたっている。ヒトヨタケ属にいたっては20枚に及ぶので、節、亜節、列に分けて細かな属目次がついている。ここには例示の意味で、アカヤマタケ属(No.1〜No9)を並べてみた(d〜l)。
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