2006年8月6日()
 
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 ジュズタンシキン属のきのこを検鏡する機会があった。材上生ということだけで、色や外見に関わる生状態のデータがなく、手元にシロキクラゲ科の文献がないこともあり、種名の同定までは至らなかった。興味深い形をした担子器を持つので、メモしておくことにした。
 ジュズタンシキンという科名は、保育社「原色新日本菌類図鑑II」p.229-230に非常に簡単に記されている。それによれば、シロキクラゲ目Tremellaの一つの科で「担子器は数個が連鎖して形成される」とある。科の学名Sirobasidiaceaeとか属の学名Sirobasidiumも記されていない。
 Sirobasidium属の設立が1892年、Sirobasidiaceae科の設立が1895年というから、けっこう歴史のある属だ。さらに、1962年には小林義雄氏によってSirobasidium japonicumという新種が記載されている(日菌報 1962, Vol. IV, No.2, 29-34)。身近に比較的よく見られるきのこなのだけれど、なぜかほとんどのきのこの図鑑には掲載されていない。
 先週検鏡した乾燥標本は、神奈川県葉山町と宮崎県延岡市で最近採取された2個体だった。担子器の形態などから、両者は別種のように見えるが、ここでは、敢えて区別せずにジュズタンシキン属の担子器と胞子を順不同で並べてみた(a〜f)。
 いろいろな倍率で撮影し、フロキシン(ピンク)とコンゴーレッド(橙色)で染めた。なお、水なりKOHで封入しただけで染色しない状態では、透明なために、詳細はほとんど分からない。

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