2006年8月29日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 日曜日に川崎市で出会ったキクバナイグチには若い個体がいくつかあった(a)。いずれも広葉樹の根元付近の樹皮から発生していて、樹皮と一体になったようにしっかりとついていた。持ち帰った若い個体は、孔口部が厚い被膜で覆われていた(b)。
 被膜に覆われたままでは胞子紋を採取できないので、被膜を取り去ってカバーグラスに一部を載せた。数時間放置すると、思っていたよりも多量の胞子紋が落ちた。キクバナイグチ属とかヤシャイグチ属の胞子は大型で美しい表面模様を持っている。
 最初に対物40倍でみた(c)。表面を縦に走る顕著な隆起は学習用顕微鏡でも間違いなく分かる。ウネとウネを結ぶ細かな横すじはじっくり観察しないと分かりにくい。普通の生物顕微鏡だと楽に見えるが、安価な学習用顕微鏡ではまず無理だ(雑記2001.8.19)。
 今朝みた個体では、胞子の形・Q比(長短径の比率)に大きなバラツキがあった(c)。アーモンドや柿のタネは見る方向によって、その形はいろいろに違って見える。胞子でも事情は同じである(雑記2004.9.18)。でも、このキクバナイグチの胞子は極限まで少ない封入液で見ているので、胞子の形が不揃いなのだろう。
 胞子の表面、輪郭部に合焦して撮影した画像を並べてみたが(d, e)、小さくてまるでひょうたんのような姿をしたものがいくつもあった。コンデンサや微動ノブをどう調整してもうまく合焦してくれない。小さな未熟胞子が重心の関係で斜めになっているのだろうか(f)。

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