2006年11月29日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 さいたま市見沼区にある公園を歩いてみた。ウッドチップ帯にだけ傘と柄をもったきのこが出ていた。みた感触からはナヨタケ属と思われた(a, b)。胞子紋は暗紫色〜黒褐色(c)。傘と柄をもったきのこを検鏡するのはほぼ2週間ぶりのことだ。
 胞子紋の色とは違って、胞子は水で封入すると暗い赤褐色で発芽孔をもっている(d)。濃硫酸で封入するとやや赤紫味が強くなった程度で、いわゆるスレート色にはならない(e)。3%KOHではくすんだ褐色に変色した(f)。
 ヒダ実質は錯綜気味の並行型で側シスチジアが見られる(g, h)。ヒダを一枚取り出してそのままスライドグラスに寝かせてKOHで封入すると、縁シスチジアが多数並んで見えた(i)。あらためて、ヒダをフロキシンで染色して3%KOHで封入し、組織をバラして観察すると、側シスチジア(j)は縁シスチジア(k)より大きめである。
 担子器の基部にはクランプなどはなく(l)、傘表皮は嚢状細胞のようなものからできているようだが、上手く切り出せなかった。ナヨタケ属やコガサタケ属のヒダや傘表皮の観察には、若い個体を使うと比較的楽だ。今回は成熟しきったものしか持ち帰らなかった。なお、今回の観察では敢えて簡易ミクロトームを使った。当初ナヨタケかもしれないと思ったが、よくわからない。

日( )
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