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プレパラートは観察さえ済めば後は捨ててしまう。かつては検鏡の済んだプレパラートは封入剤をラクトフェノールで置き換え、染色剤等を加えてから、周囲をマニキュアやラッカーで封入していた。そして、スライドグラスにラベルをつけて専用ケースに容れて保管していた。 たった一つのきのこでも、検鏡する部分が多ければ、その分だけプレパラートも増える。一つのきのこで3〜4枚だが、アセタケなどでは、胞子で1枚、傘上表皮で2〜3枚、ヒダで1枚、柄で1〜2枚、担子器とシスチジアで1枚、つまりたった一標本だけでも、6〜8枚ものプレパラートを作成することになる。これをすべて保管していたら大変だ。 ところが、2001年から2002年頃まで、検鏡したすべてのきのこについてこれをやっていた。(半)永久プレパラートを作成するための作業量はバカにならない。検鏡・記録している時間よりも後処理に時間がかかった。観察1に対して、後処理2〜3くらいの割合となる。 1年以上こんな作業を続けたが、ある日ふとそのバカバカしさに気づいた。きのこに限れば、標本さえあれば、いつでもプレパラートは作ることができる。すぐに川口市の清掃担当部署に連絡して、翌日には100枚入りケースを40箱ほど処分した。この日を境にスライドグラスの消費量が激減した。多量に消費するのはカバーグラスだけとなった。 |
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