2007年2月16日(金)
 
ミクロトーム用カッター
 
 今年に入ってから意識的に簡易ミクロトームを使うことにした。簡易ミクロトームとあわせて使うには、両刃カミソリはデメリットの方が大きい。柔らかい炭素鋼の両刃カミソリは、ミクロトームの孔の部分で、内側に湾曲してピスを抉ってしまうからだ。
 
 
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 かつては、簡易ミクロトームを使う場合には、専用ナイフや「肥後の守」を使っていた(a)。これらは別のきのこを切るたびに研がなくてはならない。頻繁に使うとなると、いちいち研ぐのは面倒である。さらに、手持ちの炭素鋼製両刃カミソリの活用を考える必要がある。
 昔は宿やホテルなどに使い捨てヒゲそりが置いてあった(b)。しかし、最近はこの型のものはなくなり、T型のものばかりになってしまった。しかし旧来型は「まゆそり(眉剃り)」として販売されている。写真(b, c)上側のタイプは、マツモトキヨシや美容品店・薬局で10本入って240円前後(e, f)、下側のタイプは、100円ショップで5〜6本入りが置いてある。
 これらの刃はいずれもステンレスであり、炭素鋼ではない(d, f)。従来はプレパラート作成用カミソリ=炭素鋼という図式が常識だった。しかし、それは切れ味が問題となったわけではなく、二つに割って使うことに主眼が置かれてきたからだろう。
 あらためて、専用ナイフ(a)と「まゆそり」(c)の両者を使って比較してみた。切れ味はほぼ同一。面倒くささがない分、まゆそりに軍配が上がりそうだ。切れ味が落ちたら、手持ちの炭素鋼製両刃カミソリを二つに割って、挟んで使うこともできる。
 ステンレス刃の「まゆそり」には、外見と価格は同じようでも、はっきりと切れ味の違うものがある。写真(b, c)の上側に置いた商品と下側のそれとでは、刃先は一見同じように見えるが、切れ味に歴然たる違いがあった。写真(f)の貝印カミソリは品質が安定している。簡易ミクロトームと組み合わせて使うには、このタイプの「まゆそり」は相性が良い。

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