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せっかくカシタケを採取してきたので、食べてしまうだけではなく、少しは観察しようと、若い菌とやや呆けた菌の両者を残しておいた。実に久しぶりのきのこ観察である。 昨夜から今朝にかけて採集した胞子紋は白色だが、思いの外少ししか胞子が落ちていない。それでも、メルツァー液で封入して観察することができた。例によって胞子表面と輪郭部に合焦した写真を撮影した(a)。念のために、スケール入り画像も撮った。 簡易ミクロトームを使ってヒダを切り出してみた(b)。手にピスを摘んで切り出すときと違って、ミクロトームの穴径にみあったピスを探すのに多少てまどった。細めのピスしか手元になかったので、キッチンペーパを細帯状に切り、それをピスに巻いて径を調整した。 倍率を少し上げると、子実層や托実質がよくわかる(c)。さらに倍率を上げると担子器なども明瞭に捉えられる(d)。そのままカバーグラスの脇からフロキシンを注い。担子器などがさらにはっきりした(e)。しかし、担子器の基部などの確認は別の方法がよさそうだ。 ヒダの一部をつまみ出して、3%KOHで封入し軽く押し潰してから、フロキシンを加えた。さらにこれを軽く押し潰した。子実層がバラバラになり、線香花火をみているようになる(f)。この中から、担子器の基部が現れているところを見つければよい(g)。 今朝は傘表皮も簡易ミクロトームを使って切りだした。水で封入したところ小さな気泡を多数いれてしまった(h)。カバーグラスの端から3%KOHを注ぎ、反対側から濾紙で水を吸い取り、全体をKOHで置き換えた。全体のコントラストが弱くなり、組織は潰れ色が抽出された(i)。倍率を上げると、傘上表皮の組織を観察することができた(j)。 |
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