2007年6月12日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 6月9日、日光領域で高速道路のサービスエリアに小さなキツネタケの仲間があった(a, b)。傘径は6〜12mm、柄は1.5〜2.5cm×1〜1.8mm、ヒダの付き方は上生と垂生気味の個体があった。傘表皮は湿時は条線があるが、乾燥時には白色味を帯びて目立たない。
 胞子紋はほとんど白色。胞子をドライ(c)、水(d)、メルツァー(e)で封入してみた。ほぼ球形で、際だった疣ないし刺に覆われている。胞子表面に合焦すると疣に見えるが、輪郭部に合焦すると刺といった方がふさわしく見える。胞子サイズは疣を含めると11.5〜14.5μm。
 最初にヒダを実体鏡の下で切りだした(f)。35〜40μmほどの厚さだ。切り出したヒダ切片はカミソリにへばりついたので、面相筆でスライドグラスに落とした。簡易ミクロトームでも切り出してみた。20〜25μm厚に切り出せたのだが、スライドグラスに落とすときにしくじって、先の方が捻れてしまった(g)。ヒダ実質は並列型。倍率を上げると、柄を2つ持った担子器がみえた(i)。
 あらためて、ヒダを3%KOHでバラしてフロキシンで染めてみた。柄を2つもった担子器が多く、3つないし1つだけの柄をもったものもある。担子器の基部にはクランプがある。菌糸にはクランプがあり(k)、傘表皮の組織は、菌糸が平行に走っている(l)。
 いくつかの検索表にあたってみた、いくつかの図鑑で、Laccaria tortilis、つまりヒメキツネタケモドキに落ちた。ヒダの付き方と、傘の開き具合などがやや気になるが、ヒメキツネタケモドキとしてよいだろう。なお、採取時は激しい雨のために、裏面は1個体しか撮影できなかった。ヒダが垂生気味についたものは持ち帰った時には形がすっかり崩れてしまっていた。

 最近は面倒くささが先に立って、「キノコのフォトアルバム」未掲載種であっても、このところずっと追加していない。3月中に2度ほど手を入れたが、それ以前も以後も放置状態なので、取扱種は627種のままで、そこから少しも増えていない。


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