2007年7月10日(月)
 
傘表皮の観察
 
 ヤマイグチの仲間では、胞子とかシスチジアはみな同じようで、これらから種の違いを読みとるのは難しい。いやでも周囲の樹種、外観、変色性、匂いなどに大きく頼ることになる。でも、傘表皮を見ると、スミゾメヤマイグチは独特の姿をみせてくれて楽しい。
 
 
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 まずは、とりあえず胞子とシスチジア(c)を型通りにみた。裏面管孔部(a)をルーペでみると、縁シスチジアがあることは明瞭にわかる(b)。傘の断面をみても、傘表皮が球形の細胞からなっているらしいことは、見当がつく(d)。傘表皮を簡易ミクロトームに挟んで、切り出した(e)。確かに、球形の細胞が縦に数珠のように繋がった組織が、柵状に並んでいる(f)。
 
 
 
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 ヤマイグチとは全く関連がないが、先日同じ場所で採取したキアミアシイグチである。気紛れに撮影したので、記憶媒体をフォーマットする前に検鏡写真を残すことにした。裏面(g)、管孔部(h)、シスチジア(i)、担子器(j)、傘表皮(k, l)である。傘表皮の検鏡は、種の同定に必要な場合がかなり多い。胞子、シスチジアと併せて、傘表皮も観察すると興味深い。

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