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昨日前日光に位置する石裂山(おざくさん)に遊んだ。低山にもかかわらず、急峻な岩場を歩かねばならず、事故の多いハイキングコースでもある。沢沿いのコースを登ったが、出会ったきのこはニガクリタケとクヌギタケ属、イッポンシメジ属の小さなきのこだけだった。
副産物として、4月12日に採集して(a, b)、激しく揺れる車の中で行方不明になっていたきのこが見つかった(雑記2008.4.13)。運転席のシートの下に転がっていた。フィルムケースに入っていたために、多少は形を保ってはいたが、すっかりしぼみ、全体が液状化しはじめていた。 |
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採取時は、カサ径0.8〜1.0cm、柄の長さ3〜4cmほどあったのだが、しぼんですっかり小さくなって、カサ径は0.4〜0.7cmほどになっていた。採取時現地で簡易実体鏡で眺めたときの姿(c)からはほど遠い状態となっていた。どうやら縁シスチジアがありそうだ。 そこからヒダを一枚つまんで、スライドグラスに寝かせて顕微鏡で覗いてみた(d)。ボーリングピンの先端に球を載せたような形の縁シスチジアがあるようだ。そのままフロキシンを加えて赤く染めた後、3%KOHを加えて押し潰してると(e)、縁シスチジアの全体像がみえた(f)。 無駄を承知で、ヒダを薄く切ってみた(g)。やはり上手くいかないが、何となくヒダ実質の構造(h)や、子実層の様子が分かる(i)。今更胞子紋をとれないので、ヒダ面をスライドグラスに押し当てて胞子を採取した(j)。なお、菌糸にクランプはなく、胞子には胞子盤がみられない。 それにしても、中途半端に縮んで崩れて液状化したきのこは扱いが面倒だ。ヒダの大部分がクシャクシャだったので、横断面切り出しには難儀した。また、カサ表皮の切り出しは諦めた。 |
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