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小さなきのこの切り出しには、実体顕微鏡が威力を発揮する。ヒダやカサ表皮を切り出すには、柄を切り離し、カサ部をヒダ面を下にして載せ、カミソリでバッサバッサと切る。薄く切れたものだけを残して、他の切片をすべて捨て去る。
キイボカサタケ(a)は小さくはないが、脆くてピスには挟みにくい。カサをスライドグラスに伏せ、切片を浮かせる水をたらし(b)、バッサバッサとやった(c)。ここから、比較的薄いものを残して、他の切片をすべて捨て(d)、カバーグラスをかけて顕微鏡で覗いた(e)。
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コケでも薄片切り出しは重要だ。オオシッポゴケ(f)の葉の横断面切り出しの画像を添えた。茎ごとまとめてスライドグラスに載せ、指先で押さえてカミソリをあてた(g)。最初に先端を切り捨てた(h)。そして、少しずつずらして次々に切った(i)。残った破片のうちから薄そうなヤツだけを選びだした。そしてカバーグラスをかけて顕微鏡で覗いた(j)。 |
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カミソリはすぐ切れなくなるので、こまめに交換する必要がある。また、カミソリは刺身を切るときのように、引き切りをする。その場合、「慎重に慎重にゆっくりと」ではなく、「さっさと次々に」切り出すことが肝要だ。たくさんの切片を切り、そのなかから薄いものを選ぶとよい。 | ||||||
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