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アセタケ属 Inocybe は肉眼だけでは同定の難しいきのことされる。肉眼的観察は大切だが、顕微鏡による観察が不可欠だ。もっとも、顕微鏡でみたからといって、種名が明らかになるわけではないが、胞子が平滑か否か、シスチジアが厚膜か薄膜か、傘や柄にシスチジアがあるかないか、などを確認すると、同定には大きな手がかりとなる。 マツ混じりの林で大小2種を採取した(a, g)。先入観抜きで、胞子(b, c; h, i)、ヒダの先端(d; j)、側シスチジア(e; k)、傘表皮(f; l)を確認してみた。外見は全く違うが、ミクロの姿は、ともにこぶ状の胞子をもち、厚膜で先端に結晶をつけたシスチジアをもち、傘シスチジアはない。 |
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アセタケ属には必ずクランプがあるので(m)、確認は不要だが、柄シスチジアの有無や、担子器基部のクランプの有無、などは確認することになる。両者ともに柄シスチジアはなく、担子器の基部にはクランプがある(o)。写真は掲げないが、両者ともに、傘頂部にも、傘縁にもシスチジアはなかった。柄の上部にも(n)、中部にもシスチジアはなかった。
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いちおう、ヒダ横断面を切り出したが(p, q)、何もわざわざ切片を切り出す必要はない。縁シスチジアの有無・形をみるなら、ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて、軽く押し潰して縁をみればよい(r)。側シスチジアをみるなら、ヒダの縁を捨て去って、残ったヒダをスライドグラス上で押し潰せば、そこにあるシスチジアは側シスチジアということになる。 柄の根本は大きなアセタケでは軽い凹頭状、小さなアセタケでは緩やかに膨らむ。保育社の図鑑とスイスの菌類図鑑に準拠して種名を推定すると、大きいアセタケはニセアセタケに近い種(和名なし)、小さなアセタケはコブアセタケかもしれない。 |
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