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近場にもキノコの姿がほとんど無い。そこで今朝はコケで遊んだ。ピスや実体鏡を使ない薄片の切り出しだ。準備するのは、スライドグラスと半折した新しいカミソリだ(a)。スライドグラス上には、切片を浮かせるために、スポイトなどで水をたらしておく。
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使ったのは、葉を含めた茎の幅が3mm前後、長さ15mmほどのホウオウゴケ属だ(b)。一枚の葉は、長さ2〜3mmだろうか。同定には葉の横断面の観察が必要とされる。小さな葉を一枚だけ押さえるのは難しいので、茎ごとまとめて切り出す。 カミソリは、利き手の親指と中指で掴み、人差し指をその上に添える。試料を押さえる側の指の爪をガイドに使う。キャベツの千切りの要領で、次々に刃を下ろすと(c)、1/5〜1/20mm幅の薄片が多数得られた(d)。この間3〜4秒だろうか。手元はあまり注視しない。 この方法は、脆いきのこや小さなきのこの切り出しで、しばしばやってきた。刃物は「引き切り」ではなく「押し切り」だが、封を切ったばかりのカミソリなら組織を潰すことは少ない。指先を切らないように注意は必要だが、目をほとんど使わないので、眼精疲労にはならない。 得られた薄片群にカバーグラスを載せると、半分ほどが倒れてしまった。しかし、うまく切れている部分を選ぶと、視野には葉の横断面が見られた(e, f)。下手な鉄砲も数撃ちゃあたる。 |
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