|
||||||||||||||||||||||||||
保育社の『原色日本新菌類図鑑』(1987)では、ムラサキシメジの胞子について「楕円形で微細ないぼにおおわれ」と記され(p.69)、検鏡図の胞子の描画には微細なイボが明瞭に描かれている。顕微鏡でみれば、すぐにでも微細ないぼが見えるのかというと、そうではない。 今年10月に奈良県で採取した個体(a)と、11月に東京都で採取した個体(b)の両者で同じ条件の下で胞子を観察した状態を列挙した。胞子表面の微いぼを確認しようと水で封入してもよくわからない(b, b')。フロキシンで染めてもよくわからない(c, c')。 ところが非アミロイドの確認をするためメルツァー試薬で封入すると、微細ないぼを捉えることができる(d, d')。とはいっても、対物40倍レンズでは無理で、油浸100倍を使わないとわからない。 |
||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||
いわゆるドライで、コンデンサを絞ってコントラストを強くすると、胞子表面の微いぼを確認できる。ただ、この状態での撮影はうまくいかない。胞子紋の色(e)にしても、多量の胞子を落とさないと白色にしかみえない。胞子をサフラニンで染めてみたがやはり微いぼはわからない(f)。ヒダ実質の並列型や(g)、クランプの有無(h)は水道水で十分確認できる。 | ||||||||||||||||||||||||||
HOME |