2008年12月5日(金)
 
極細ピンセット (2)
 
 かつては細かな作業をする場合、先細の眼科手術用ピンセットを使うことが多かった(a 上)。ところがコケを扱うようになると、もはや眼科手術用ピンセットでは手に負えなくなった。そこで、先端が極細のピンセットを使うようになった(a, b)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 はじめのうちは手持ちのピンセットの先端を砥石で研いで細くして使った。ところが、これがなかなか難しい。うまく研いだつもりでも、先端がそろわない。さらに、せっかく細くできても、剛性・熱耐性・薬品耐性が不足してすぐに曲がってしまう。特にきのこ関係の試薬には弱い。何回か研いでいるうち馬鹿馬鹿しくなり、高価なスイス製の極細ピンセットを購入した(a)。
 両刃カミソリの刃を挟んでみると、先がいかに細いかよくわかる(c)。両刃カミソリの幅は0.1mmつまり100μm。薬剤や熱にも強く、落としたりぶつけたりしない限り、狂いは出ない。最初は1本しか買わなかったため、微細解剖には苦労していた(d, e)。2本目を購入してからは、実体鏡下での解剖作業が格段に楽になった(f)。やはり道具選びは大切だ。

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