2009年5月16日()
 
同じ Pluteus でも
 
 狭山湖畔の自然公園を歩いてみると、ウラベニガサ属 Pluteus のきのことマツオウジやたらに目立った。特に鮮やかで遠目にも目立ったのがヒイロベニヒダタケだった。ただ十分に成熟してカサを大きく開いた個体は少なかった。そのせいか、ヒダは柄に対して上生で(c)、図鑑などにあるような離生にまで成熟した個体は少なかった。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(a〜c) 若い子実体、(d) 胞子、(e) 切り出したカサとヒダの一部、(f) ヒダの横断面、(g) 縁シスチジア、(h) 側シスチジア、(i, j) カサ表皮、(k) フロキシン+KOH、(l) ヒダ実質

 いつもとやり方を変えて、実体鏡の下でカサと柄を一緒に切り出した(e)。一度の切り出しで、縁シスチジア、側シスチジア、ヒダ実質、カサ表皮を確認するためだ。脆くて崩れやすいので、よく切れるカミソリを使い、慎重な作業が必要だ。倍率を上げてそれぞれの該当部分をみると、目的のパーツの状態を確認することができた。
 一通り見たあとで、カバーグラスの縁からフロキシンを流し込み、ついでKOHを注いでカバーグラスの反対側から濾紙で吸い取った(k)。KOHを注いだとたんに、ヒダがみるみる潰れて行くのがわかる。ヒダ実質の逆散開型はやや弱かった(l)。

日( )
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