2009年5月25日(月)
 
ミズゴケから出るキノコ
 
 フウセンタケ科 Cortinariaceae ケコガサタケ属 Galerina には、コケから発生するキノコが多い。ミズゴケタケ節 Sect. Mycenopsis にいたっては、節の名にまで「ミズゴケ」がつく。他にも、ヒメコガサ節 Sect. Calyptrospora、フユノコガサ亜属 Subgen. Tubariopsis などでは、一般的にコケの間からでるものが多い。フユノコガサ G. heterocystis、ヤマノコガサ G. sphagnorum、ヒメコガサ G. hynorum、ケコガサタケ G. vittaeformis の他にも、疑問種がいくつかある。
 フウセンタケ属以外でも、キミズゴケノハナ Hygrocybe turunda f. macrospora、ヒナノヒガサ Gerronema fibura、ハイイロサカズキタケ Cantharellula umbonata、サカズキガサタケ Hydropus hypnorum、エイザンモミウラモドキ Rhodophyllus mycenoides などコケから出る種はいくつもある。ミズゴケノハナ H. coccineocrenata は草原によくみられ、ミズゴケから出ることは少ないので、これは命名が不適切だったといえよう。さらに、コケからではなく、コケの間から出るキノコを数え上げたらきりがない。

 昨年来、ミズゴケから出るキノコに関心をもって多くの湿原を歩いてきた。ミズゴケタケ G. tibiicystis、ミズゴケタケモドキ G. sphagnorum にいたっては、その名もずばり「ミズゴケ」がつく。ミズゴケからでるキノコの観察は難しい。そもそも、ミズゴケ自体が保護された湿原に多く、近寄ったり採取することが困難である。また、ミズゴケからキノコが出ていることを確認しても、湿原ゆえに接近することが難しい。それゆえこれまで何度も悔しい思いを繰り返してきた。
 ミズゴケから出るキノコの撮影には広角系や標準レンズではむずかし。一般にキノコやコケの観察・撮影を目的に出かけるのに、わざわざ望遠系マクロレンズを持ち歩きはしない。今年は何とか望遠系マクロレンズを入手して持ち歩きたい。


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