2009年6月5日(金)
 
小さなきのこは難しい
 
 今日はこれから日帰りで筑波行き。利根川を渡る橋が渋滞するので、早朝出発せねばならない。出発前に昨日公園のウッドチップに出ていたヒトヨタケ属 (Coprinopsis) あるいはヒメヒガサヒトヨタケ属 (Parasola) の小さな白いきのこを検鏡した(a, b)。

 カサがいずれも釣鐘型なので、幼菌かもしれない。カサ幅3〜6mmほどしかない。あまりにも繊細できれいなので、うかつにも持ち帰ってしまった。胞子紋は全く落ちなかった。
 

(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 ちょっと手で触れると簡単に崩れてしまう。持ち帰ったことをつくづく後悔した。直ちに捨ててしまいたいところだが、とりあえずカサ表皮とヒダ切片くらいは見てから処分することにした。難儀して傘とヒダを一緒に切り出した切片はかなり分厚い(e)。
 ルーペでみた段階で、カサ表皮や柄には長いシスチジアがあることがわかっていた(d)。フロキシンで染めても側シスチジアらしきものはみえない(f)。ヒダ先端をみたが縁シスチジアの有無はよくわからない(g, h)。カサ表皮は嚢状の細胞が柵状に並んでいる(i)。その間から長い紐状のカサシスチジアが伸びていた(j)。ヒトヨタケ仲間の小さなきのこの検鏡は難しい。

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