2009年7月10日(金) |
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先日採集したキミズゴケノハナを覗いてみた。採集した個体は、いずれもみるからに未成熟で、予測どおり胞子紋はほとんど落ちなかった。ロウ質で非常に脆く、扱いに難儀した。幼菌だからなのか、カサの表面に、細かな毛状の小塊が多数付着する。その部分の菌糸にはクランプがあるが(l)、それ以外の菌糸にはクランプはない。担子器には小柄が4つある。
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(e) |
(f) |
(g) |
(h) |
(i) |
(j) |
(k) |
(l) |
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(a) ミズゴケの茎の下部から出る、(b) ヒダはとても荒い、(c) ヒダは典型的な垂生、(d) ヒダの横断面、(e) 子実層托実質は並列型、(f) ヒダ横断面の縁付近、(g) 担子器、(h) ヒダの縁付近の組織、(i) カサ肉とカサ表皮、(j) カサ表皮、(k) カサ表皮の毛の細胞、(l) カサ表皮の毛の細胞にはクランプがある |
宿主のミズゴケは、これもまたオオミズゴケだった。このきのこは、ミズゴケのマット上に小さな花が咲いたかの様に見える。無粋でとってつけたようなコケの和名とは違って、きのこの和名には趣のあるものが多い。「黄水苔の花」という和名には風情がある。
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