2009年8月16日(日) |
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6月26日に採集してトガリツキミタケ Hygrocybe acutoconica forma japonica として標本にしたきのこがあった(a〜d)。アカヤマタケによく似た形で、触れても傷つけても黒変することはない。保育社図鑑の検索表に準拠して同定したものだった。それによればアカヤマタケ亜節で、カサに粘性があるので、候補として残るのはトガリツキミタケとトガリダイダイタケの二つとなる。
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 (a) |
 (b) |
 (c) |
 (d) |
 (e) |
 (f) |
 (g) |
 (h) |
 (i) |
 (j) |
 (k) |
 (l) |
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担子器が2胞子性だったらトガリツキミタケ、4胞子性だったらトガリダイダイタケとなる。胞子はトガリダイダイタケが一回り大きい。6月末に検鏡したとき、担子器はいずれも2胞子性のものばかりだった(g)。成熟個体がなく胞子紋はとれなかった。わずかに見られた胞子はトガリダイダイタケのサイズだが、なんといっても未成熟だ(h)。成熟した胞子はさらに大きいだろうと考えた。カサ表皮は両者ともあまり変わりない(i)。結論としてトガリツキミタケと記録した。
最近ゆえあって、先日の標本をあらためて引っ張り出して、担子器ばかりを観察した。じっくり観察すると、80%以上は2胞子性だが、4胞子性のものがかなりある(j〜l)。結局、標本の種名のところは、先の名称に赤色の取消線を引いて、Hygrocybe sp. と修正した。
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